中原中也『四行詩』

昨夜は発作がひどく、夜中に何度も目が覚めた。めまいがする夢のなかのようなぼやけた視界で、トイレとベッドを繰り返し往復した。朝になって少し落ち着いた。明け方は雨模様だったのが、気づいたら晴れていた。

この時期は、過ごしやすい温度で、毎年助かる。色も美しい。10月から11月にかけての時期に、ずっといたいと思う。人生の終わりの季節というのも、だいたいこの辺りがいい。中原中也の命日が、10月22日と、ちょうどこの時期で、生前は、秋が寂しい、と言っていた、と本で読んだことがある。だから、彼はその時期に死んだんだ、というような文脈だったように思う。もしかしたら、昔は、一番寂しい季節に、その人は死んでいく、という話もあったのかもしれない。

中也の生前最後の詩は、9月末頃に書かれたとされる『四行詩』。この詩の静けさが好き、帰ってゆく人の詩だなと思う。

おまえはもう静かな部屋に帰るがよい。
煥発かんぱつする都会の夜々の燈火を後に、
おまえはもう、郊外の道を辿るがよい。
そして心の呟きを、ゆっくりと聴くがよい。

中原中也『四行詩』

煥発する都会の夜々の燈火、という表現で、想像する光景がある。自分の記憶のなかの情景が、静かに遠のいていく。

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