寒い日が続いている。雨がぽつぽつと降ることも多く、洗濯物がなかなか干せない。体も重たい。あと一か月もすれば、桜が満開で散っていってるとは、想像もつかない天候。
最近、中村一般さんの『ゆうれい犬と街散歩』という漫画を読んだ。一巻で終わるエッセイみたいな漫画で、主人公と、ゆうれい犬のハナちゃんが、東京の街をぶらぶらと散歩する。絵の雰囲気も好きだし、どんなものを見て、どんな風に感じているか、といったことが淡々と描かれている。
ぼんやりと、街の裏路地や、川沿いを歩く。僕も、こんな風に歩くのが好きだから、なんだかすごくわかる。一人の世界で考えごとをしている。考えごとをしながら歩いている。もしかしたら、それだけでは少し寂しかったかもしれない。でも、この漫画には、ゆうれい犬がいる。ゆうれい犬と一緒に歩いている。この子の存在で、主人公が、一人の世界に閉じていても、なにか読んでいて遠くない感覚になる。距離を繋いでくれる。
このゆうれい犬は、普段散歩をしているときの話し相手としてつくった、中村一般さんのイマジナリーフレンドで、モデルは、以前一緒に暮らしていた犬らしく、主人公とゆうれい犬の関係性は、漫画内では描かれていないものの、互いの距離感が絶妙で、なんだかほっとする。
ゆうれい犬は、頭がよい。悩んでいると、優しく物事の見方も教えてくれる。一人の世界と、そこにふわふわと漂いながらいつも寄り添っているゆうれい犬の優しさが、心地よかった。
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