知らない人の運転する車で、どこに向かっているかも 分からない、長い旅をしていた。僕は後部座席の一番左に座り、助手席にも後部座席にも、知らない人たちがいた。なんだか自分は邪魔者のようで居心地が悪く、早くこの旅が終わらないかなと思っていた。外はうら寂しい海沿いの景色だった。探していたものがあったらしく、途中、道を歩いていた人に尋ねてみたけれど、そんなものは知らないと言った。
気づいたら帰りに向かっていた。僕は新幹線に乗っていて、さっきまで一緒に旅をしていた一人が、もうすぐ着くよ、と知らせてくれた。疲れ切っていた僕は安心して眠ってしまった。目が覚めたら、もう到着の時刻で、僕は慌てて降りた。ここからまだ乗り継いでいかなければいけなかった。でも、どの方面に帰っていいか分からず、ホームを一人でうろうろしていた。
歩きながら、スマホがないことに気づいて、歩いてきた道を急いで探し回った。階段の近くにスマホが落ちていたから拾ったら、「ああ、よかった。ありがとうございます!」と言って誰かが駆け寄ってきて、そのスマホを手に取り、去っていってしまった。ほんとうは、僕もなくしたから一緒に探してくれませんかとお願いしたかった。僕はまた一人でなくしたスマホを探し始めた。
+1