仕事も兼ねて誰かのおばあちゃんの家に来ていた。外国だった。故郷にも雰囲気が少し似ていた。小高い山の上にあって、そこからの眺めが、小さな山々にかこまれた盆地にきれいな湖があって、ぽつぽつと建っている建物は古い趣のあるものばかりで、なかには和風のお寺のような建物もあった。すごい素敵ですね、と言ったものの、おばあちゃんはあまりピンとは来ていなかった。用事があって、車で少しだけ山を降りたら、さっき見えたきれいな湖に着いた。光が反射して輝いていた。いいなぁ、こんなところに住みたいなぁ、と思った。
僕はあるミュージシャン志望の子をなんとしても世に出したくて、紹介してもらった会社の偉い人にお願いしにいくところだった。山から降りてくる車中も、その子の歌う曲を聴いて、これはほんとにいいな、と思った。僕は鞄に小松菜を入れていた。僕は小松菜くらいしか食べられなくて、お腹が空いたら食べようと思っていた。
会社に着いて、偉い人に、一生懸命プレゼンしようとしたら、いきなり土下座しろと言われ、その後も散々な目にあった。なんでこんなに言われなくちゃいけないんだろう、と思いながら、じっと耐えていた。でも、最後までひどいことを言われ続けて、その偉い人は去っていってしまった。なんだかとても惨めで、こんな風に、鞄に小松菜を入れて来ているような人間だから、こんな扱いなんだ、と思いながら、帰り支度をした。
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